賃貸住宅に住んでいるとどうしても原状回復という壁が立ちはだかり、内装の変更を諦めてしまいがちです。しかし近年、家のリフォーム業界において急速に普及している剥がせる壁紙の登場により、その常識が覆されつつあります。かつては壁紙といえば強力な糊で下地に密着させ、剥がすときは石膏ボードを傷めるのが当たり前でしたが、現在はシールタイプや水に溶ける特殊な糊を使用するフリース素材の壁紙など、特別な技術がなくても自分で施工でき、退去時にはスッキリと剥がせる製品が豊富に揃っています。これにより賃貸であっても自分好みのカフェ風インテリアやモダンな書斎を実現することが驚くほど身近で簡単なものになりました。特に初心者に人気なのはシールタイプのクロスです。裏面が粘着シートになっており、位置がずれても何度も貼り直しができるため失敗を恐れずに挑戦できます。キッチンカウンターの足元にレンガ調のシートを貼ったりトイレの正面の壁をボタニカル柄に変えたりするだけで、平凡な賃貸の部屋がまるでインスタグラムで見かけるようなお洒落な空間へと様変わりします。私も実際に自宅のキッチンの壁にタイル模様の剥がせるクロスを貼ってみましたが、作業はわずか二時間ほどで完了し材料費も数千円で済みました。油跳ねなどの汚れからも元の壁を守ってくれるため一石二鳥の効果を実感しています。もう一歩本格的な模様替えを望むなら、不織布、いわゆるフリース素材のクロスをお勧めします。こちらは専用の糊を壁側に塗り、その上に乾いた壁紙を貼っていく方式です。シールタイプよりも質感がリアルで本物の布や紙のような高級感があります。剥がすときは端からゆっくりと引っ張るだけで、下地の白い壁紙を傷つけることなくシート状のままペロンと剥がれます。糊の跡が残ったとしても濡れた雑巾でサッと拭き取れるものが多く原状回復の心配がほとんどありません。こうした期間限定のリフォームは季節ごとに部屋の雰囲気を変えるという贅沢な楽しみ方をもたらしてくれます。夏には爽やかなブルーのストライプ、冬には温かみのある深いチェック柄といった具合に、気分に合わせて暮らしの背景をアップデートできるのです。家は単なる寝るための場所ではなく、自分を表現し英気を養う場所です。剥がせるクロスという魔法のツールを使いこなすことで、賃貸という制約すらも次はどんな部屋にしようかという創造的な喜びに変えることができるのです。
賃貸でも可能なクロス張替えの楽しみ方と原状回復の最新技術